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和津実(なつみ)

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見知らぬおじいさんの話

2015.07.07 23:50|日々の中で思うこと
今日は自分にとってはなかなかない体験をしたので、忘れないうちに書き留めておこう。

仕事から帰って自宅のマンションの入り口まで来ると、入り口に見知らぬおじいさんが立っていた。
「うちのマンションの人かな?見かけないな」
と思いながらもおじいさんに軽く会釈をして入れ替わりで入り口から入ろうとしたら、
おじいさんが
「◯◯小学校はどっちですか?」
と聞く。
きっとあの小学校のことかなと思って「あちらのほうですよ」と指差すとなんだか腑に落ちない表情。
「◯◯弁当屋さんは?」
「それはすぐ近くです。」と応えると、目が悪いのでそこまで道案内してくれますか とのこと。
まぁ仕方ないかと一緒に歩き出したものの、私の一歩がおじいさんの10歩分ぐらいということに気がついて、内心あたたーと思った。
私が担いであげられたらほんの1分の距離だが、このおじいさんの徒歩では10分はかかるぞ と。
とりあえず横断歩道を渡って、そこから弁当屋まで行く道すがら話していてどうやらおじいさんはいつもと反対側のバス停で降りたからか家までの帰り道が分からなくなってしまったらしい。
話す速度も歩く速度もとてもゆっくりだが、どうやら頭はしっかりとしているらしい。
それでも、一体全体どこへ向かっているのか私も不安で、この人に家族はいないのかなと思って聞いてみた。
いないらしい。一人暮らしだという。
困ったなあ。
弁当屋までくると、
「郵便局はありますか?」とおじいさん。
郵便局はまだ少し先。とりあえずそこまで行ってみよう。
弁当屋から郵便局までの道すがら話していて、どうやらいつもこの近辺のバス停から小学校のすぐ近くの自宅まで歩いて帰っているらしいことが分かった。
それは、おじいさんの速度だとかなりかかる距離だと思われる。
郵便局まで行くまでの間、私はもう腹を決めた。
おじいさんにつきあおう。

そんなわけで、郵便局からさらに(おじいさんにとっては)遠く遠くの小学校まで、ゆっくりゆっくり、本当にゆっくり、
びっくりするぐらいのゆっくりスピードで一緒に歩いた。
おじいさんは右目にどうも白内障を患っているようだった。少しは見えるがほとんど視力がないそうだ。

歩道と車道の境目の白線の上を、「いつもこれを目印にして歩いているんだ」といってトコトコと歩くけれど、
車がわりと通るので危なっかしくてなんとかもう少し歩道に入ってくれるように頼んだ。
途中にあるドラッグストアの光を見て、いつもここに買い物にくる、と言っていた。
よかった、ちゃんと道を間違えずに進んでるんだと思ってほっとする。
「おねえさんはいいねぇ。目がよくて。わたしは見えないからねぇ」
うーむ。ほんとに、目が見えなくてこの距離を歩くのはなかなか大変だろう。
「毎日この道を歩いているの?」
「うん、わたしは歩くのが好きなんだよ」
そうなのか、ゆっくりでも、歩くのが好きなんだーと思った。

やっと小学校のところの角を曲がるところまで来た。あと少し。
「あなたはここの小学校に行っていたの?」と聞かれたので
「いいえ、私は熊本出身だから熊本の小学校に行っていました」と答えると
「ほーぅ 熊本。いいところだよねぇ」とおじいさんが言うのでてっきり熊本に行ったことがあるのかと思って聞くと、
行ったことはないという。ちょっとおもしろい。

やっとおじいさんの家の前。
重そうだったので代わりに私が持っていた、食料が入ったスーパーのビニル袋ときっと貴重品などを入れているのであろう少し重たい皮鞄をおじいさんに返した。
するとおじいさんがビニル袋をガサゴソとやったので思わず
「大丈夫、なんにも取ったりしてないからねー」というと、違った。
「あなたにトマトをあげようと思ってねぇ」
「トマト!?えーありがとう うれしい!」
ガサゴソガサゴソ

ガサゴソガサゴソ…

ガサゴソ…

「いいよいいよ、トマトないんじゃないかなあ?だいじょうぶ。いらないよー」

「いや、ある。」

ガサゴソガサゴソ

ガサゴソガサゴソ…

ガサ…

お!あった。

でかい!笑

ほんとに大きなプリプリのトマトを、おじいさんがひとつくれた。

「わーありがとう!

じゃあ、もう大丈夫ね?」

「うん、もう大丈夫 そこのアパートだから」

「わかった。じゃあ、またね、バイバーイ!」

と言ったものの、心配で振り向くと、やっぱり。
おじいさん、アパートを若干通り過ぎ気味になっていた。
心配だったのでもうしばらく見ていると、そのアパートの手前のちょっとした段差を登れないでいる。
うむ。
思わず最後のヘルプ。でも、いつもは自分でちゃんと登っているのだろうけれども。
そこからは本当にもう大丈夫だろうと思った。

もう一度、じゃあね、バイバイ!

そこから私の家までは私の足では徒歩10分。

おじいちゃんと歩いた時間、約50分ほどであったろうか。
しかし、果てしないと思った道のりも、少しずつでも歩いて行けばちゃんと辿り着くのだとなんだか妙に納得した。

たぶん、私、あのおじいちゃんを見守っている何かに借り出されたような感じなのではなかったろうかと思った。
私があそこで偶然のタイミングでおじいちゃんに会わなかったら、おじいちゃんどうなってただろう。
だから、よかったと思った。トマトもいただいてしまったし。

こんなふうに、だれかがだれかのなにかの偶然のタイミングで派遣されるようなことは
よくあるのではないかと思う。
私は今回派遣される側だったけれど、私もときどきこんなふうに私のことを守ってくれているなにものかが、
私のことを助ける為に、だれかの行為やことばなどを私に投げかけてくれているのだと思う。

なんだかおもしろかったなあ。

おじいちゃん、あのひとたぶん、いいひと。
「またよろしくおねがいします。」と最後にあのひと私に言ったけれど。。。笑
もしまた偶然に道に迷ってるところ見かけちゃったらね!
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